キリュウのバレンタイン
 
 
 


毎年毎年、冬という季節でそわそわする時期は、2月くらいだろう。

女性が大切な男性に対し、想いをチョコレートに込めて渡す日。バレンタイン・デー。

このイベントに情熱を燃やす女性は少なくはない。

この鶴ヶ丘中学校でも、このイベントに異常ともいえる情熱を燃やす女性がいた。

ルーアンと愛原花織である。

バレンタインまで後数日と迫った夜、二人はそれぞれの想いを形にする為に、

日夜チョコ作りに奔走していた。

その頃シャオはというと、相変わらず家事をやっていた。

シャオにとってみれば2月14日は2月14日でしかないようだ。

どうやら昨年翔子に教えてもらったバレンタインの事を忘れてしまったらしい。

一方キリュウはというと、その日が近づくにつれ、部屋にこもる事が多くなった。

太助達は「寒い日が多いから部屋のコタツに入って出られない」と思っているらしい。

しかし、彼女は静かに待っていた。バレンタインという名の日を。

実は彼女はバレンタインを知っていた。それは一週間前にさかのぼる。

一週間前

彼女は相変わらずコタツの中にいて寝ていた。

加えてストーブもつけている。ちなみに設定温度は25度だ。

ある時彼女が目を覚ました時、ふと傍らにあった雑誌が数冊目に入ってきた。

「ん?これは・・・・・・・」

それはルーアンがよく読んでいる「レジェンド」という雑誌だった。

あまりこういう雑誌に興味を示さないキリュウだが、

彼女はふと読みたくなり、ぺらぺらとページをめくった。

そして、一つの単語がキリュウの目に飛び込んできた。

「バレンタイン必勝法 〜これで彼のハートをゲット〜 」

「ばれんたいん?」

これがキリュウがはじめてバレンタインと言う事を知ったときであった。

とても印象的な言葉だったのか、彼女はバレンタインの事を調べ上げた。

そして調べ終えた瞬間、キリュウはふと一つの妙案を思いつき、

キリュウらしくない不敵な笑みを浮かべた。

この笑みがキリュウの最大の計画の始まりとなろうとは、誰が予想できただろうか。

そしてバレンタイン二日前、キリュウは長い沈黙を破り、

すべての準備に取り掛かる為、部屋を出た。

年のため言っておくが、キリュウはものすごい厚着をしたままである。

夜、キリュウはまず、愛原の家を訪ねる事から始めた。

キリュウは家のインターホンを押す。

ピンポーン

ガチャリとドアが開く。そこから顔をのぞかせたのは愛原花織であった。

「キリュウさん!?」

突然の客の来訪に愛原は驚いた。それもそのはず、

今夜はさほど寒くはないのにもかかわらず、呆れるほどの厚着をしている。

「夜分済まない、花織殿。実は頼みがあってきたのだが・・・・・。」

キリュウは簡潔に用件を説明した。

「えーーー!そんなの嫌ですぅ!そんなのだったら・・・」

キリュウの提案に抗議する愛原をキリュウはそっと制した。

「頼む、主殿のためだ。それに花織殿にも良いチャンスかもしれない。」

「でも・・・・・・・・・」

愛原は悩んだ。確かにキリュウの提案はある意味で愛原にとって確実な話なのであった。

「・・・・・分かりました。でも、結果はちゃんと聞かせてくださいね。」

「約束しよう。協力、感謝する。」

そしてキリュウは愛原からあるモノを受け取り、愛原の家を後にした。

「次はルーアン殿か。だがその前に・・・・・。」

キリュウは太助の家に帰る途中、珍しく後藤菓子屋により、ここでもあるモノを手に入れた。

彼女はその二つのあるモノを、そっと懐にある内ポケットにしまった。

数分後、彼女は太助の家に帰ってきた。

「た・・ただいま・・・・。」

彼女はなるべく音を立てないようドアを開けた。

「おかえり、キリュウ。一体どこへ行ってたんだ?」

迎えたのは彼女の主である太助だった。

「ちょっと愛原殿の家に。」

「愛原の家に?」

太助は思わず聞き返した。キリュウにしては珍しいと思ったのである。

驚く太助を尻目にキリュウは靴を脱ぎ、太助の傍らを通り過ぎた。

一瞬、太助はキリュウの小さなささやきを耳にした。

「14日に試練を与える。受けられよ。」

聞き違えようもないほど、彼女ははっきりと、そう言ったのである。

「え?おいキリュウ・・・」

さっきのささやきの意味するのが何なのか太助が確認しようとした時、

シャオがリビングから顔を出した。

「キリュウさん、お帰りなさい。」

キリュウはシャオに微笑み、促されるままにリビングへ去って行った。

「おい!キリュウ」

なおも太助が聞こうとした時、ルーアンが鬼のような形相でキリュウと太助の前に現れた。

「あっ!キリュウ、あんたがいないからなかなか御飯食べられなかったじゃない!」

どうやらルーアンはキリュウのことを待っていたらしい。

キリュウはルーアンに対し、表情を和らげ言った。

「それは済まない、ルーアン殿も待っててくれたとはな。」

そんな光景を目にしたシャオが明るく彼女達に言った。

「もうできてますよ。早く食べましょう。キリュウさん、太助様。」

「ありがとう、シャオ殿。」

「フンッ」

「あ、ああ・・・・」

太助はお茶を濁された気分でテーブルの前に座った。

一方ルーアンは半ばキリュウに怒りながらテーブルの前に座った。

「あんたには色々御飯の事で言いたい事があるけど、それは御飯食べてからね。」

「丁度良い。私もルーアン殿に話があったのだ。」

「へっ?」

キリュウの思いがけない反応にルーアンは戸惑った。

食事を終えた二人は、ルーアンの部屋に去って行った。

ルーアンの部屋

キリュウはルーアンに、愛原と同じ事を申し出た。

「えーーー!!なんでこのあたしがそんな事をしなきゃならないのよ!!」

「頼む!これも主殿のためだ!頼みを聞き入れてくれたら、

一ヶ月、おまんじゅうを大きくするから。」

ふとその言葉にルーアンは一瞬心が傾きかけた。

でも、冷静さを取り戻し、頭をおもいっきり横に振る。

「だっダメダメダメダメダメダメ!!そんな事にあたしが荷担すると思ったの?」

「・・・どうしてもだめか?」

「もちろんよ!」

ルーアンは態度を変えない。やはりお饅頭では協力しないかとキリュウは自嘲した。

ルーアンの固い拒否に対し、キリュウは最終手段をとることにした。

「・・・ところでルーアン殿、あの・・白くて円い・・たしかこんぱくとというモノはどうした?」

「ああ、コンパクトの事?それだったらここにあるわよ。」

といってルーアンはポケットの中からコンパクトを取り出して見せた。

そのタイミングにあわせ、キリュウは短天扇を開いた。

万象大乱!!

短天扇から光が発生し、ルーアンのコンパクトはみるみるうちに小さくなっていった。

コンパクトは米粒ほどの大きさまで小さくされたので、もう開く事すら難しい。

「あっ・・・あんたーー!一体何するのよ!」

ルーアンの驚いた表情に、キリュウは確かな手応えを感じた。

「これならルーアン殿も主殿の位置を確認できまい・・・。」

「くっ・・・。」

ルーアンはキリュウの周到ともいえる行動に歯噛みする。

「・・・・・分かったわよ。乗ってやるわよその話。」

「協力感謝する・・・。」

そしてしぶしぶルーアンはキリュウに、あるモノを渡した。

そしてキリュウはシャオのところへ行こうとした時、ルーアンは質問した。

「ちょっと、あたしので全部じゃないの?」

「いや、後一つ残っている。明日にまで揃えるから、その時は頼む。」

そしてキリュウはシャオの元へ去って行った。

「シャオ殿。」

キリュウは皿洗いをしているシャオを呼んだ。

「なんですか、キリュウさん。」

「シャオ殿に頼みたい事がある。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

バレンタイン前日

女子生徒のそわそわが最高潮に達する日である。

そんな女子生徒とは違い、太助はずっと天井を眺めていた。

バレンタインの事ではない。キリュウのささやきの事で頭がいっぱいだったのである。

「キリュウは、何を考えてるんだ?」

結局昨日は彼女に真意を聞くことはできなかった。

一体キリュウは何をしようと考えているのだろうか。

考えれば考えるほど、太助は頭が痛くなった。

シャオも太助の辛そうなのを見て心配して声をかける。

「大丈夫ですか?太助様。」

「ん?、あ、ああ。大丈夫だよシャオ。」

太助は気付いていなかったが、このようなシャオとの

コミュニケーションを交わす事で、見えない情念が渦巻いていた。

無論だが、シャオからチョコを貰おうと思っているたかしを含めた男子生徒達である。

それに全く気付かず、1日中考えていたが、

結局昨日のことが分からぬまま学校が終わった。

太助が帰って部屋に入った時、机の上に二つ折りされた紙が置いてあった。

太助はそれを開くと、小奇麗な字が書かれていた。キリュウからの手紙だった。

(主殿へ 明日午前5時、○×駅で待たれよ キリュウ)

それを読むなり、太助は疲れた様にベッドの上に座った。

「一体キリュウは、明日何をするつもりなんだ?」

そのころキリュウはすべてを終え、一日千秋の思いで明日を待っていた。

キリュウの計画は、今始まろうとしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 

2月14日 バレンタインデー

太助は朝一人、昨日指定された駅で待っていた。

約束の時間午前5時まであと数分。その時キリュウが巨大化した短天扇に乗って

飛んできた。くどいようだが、厚着をおもいっきりしている。

「待たせたな。主殿。」

キリュウは身を躍らせて太助の前に下りてきた。

「キリュウ、こんな時間にこんな所に呼び出して、一体何だよ。」

「いや、今日はバレンタインでーとかいう日だから・・・」

「バッ・・バレンタインって・・・・・・」

太助はバレンタインという言葉に大げさに反応した。

まさかキリュウの口からそんな言葉が出ると思わなかったのである。

(ってことは・・キリュウが俺に・・・・・・・・・)

太助は思わず凄い妄想をして、顔を赤らめながら身を一歩一歩退いて行こうとした。

だがキリュウは意に介さず、淡々と説明しようとした。

「主殿?話はまだ終わっていないが・・・これから試練の内容を言う。心して聞かれよ。」

太助は「試練」という言葉に内心安堵した。

てっきりキリュウが自分にチョコをあげるものだと思っていたのである。

しかしキリュウはコートのポケットから、少し大きい箱を太助に見せた。

太助は一瞬、「やはりキリュウのチョコか?」と勘繰った。

だがそれは太助の予想とは違ったものであった。

「この中にシャオ殿から預かったチョコレートが入っている。」

「シャオの!?」

先程の予想外れと喜びのため、太助は思わず声をあげる。

「私はこれから主殿の家でこれを持って待つ。シャオ殿のチョコレートが欲しくば、

私の試練に耐えて、見事家に辿り着ければよい。そうすればこれは主殿のものだ。」

「試練って・・・そういう事だったのか・・・。」

太助は少し、彼女の素直じゃないところに呆れながらも、やる気が出ていた。

キリュウは太助のやる気を確認し、僅かに微笑む。

その笑みが始まりだった。キリュウはすでに罠を仕掛けておいたのだった。

キリュウは突然短天扇を大きくし、キリュウの頭上を覆った。

それと同時に、あらかじめ凍らせておいた氷柱が雨の如く落ちてきた。

「でええええーーーーーーーー!!!」

キリュウの短天扇は降り注ぐ氷柱に対する笠となったわけである。

太助は頭を手で覆いながら、氷柱を紙一重で全てよけた。

普通の人間(ましてや中学生)だったら全て避けきるのは、よっぽどの訓練を積まなければ難しい。

今までのキリュウの試練が実を結んだわけである。

一方キリュウの短天扇は鋭い氷柱によってしても、傷一つつかなかった。

キリュウは短天扇を更に大きくし、彼女はそれに乗った。

「では主殿、家で待っているぞ。」

そうして彼女は見えなくなって行った。

「・・よし、シャオのチョコレートの為だ。いくぜ!」

こうして、早朝のチョコ争奪試練が始まった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

太助が試練を受けている頃、太助、キリュウを除くいつものメンバーはというと・・・・

鶴ヶ丘中学校では2年を中心とした男子生徒たちが、どやどやとシャオのいる教室に向かっていた。

無論、シャオからチョコを手に入れるためである。

その中には、たかしや宮内出雲までいた。

出雲に限っては、既に女子生徒から抱えきれないほどの沢山のチョコを手に入れていた。

ちなみにたかしは、一個も貰っていない。(笑)

そして彼らはシャオのいる教室に辿り着いた。

シャオは遠くからでも目立つほどのピンク色の髪をしている。

彼女は机に座って窓外の風景を見ていた。

彼らは彼女を確認した。それと同時に彼女の元へかけ込む。

彼女を取り巻いた形で、今度は喧騒が始まった。

「おい、てめーどけよ。シャオちゃんから貰うのは俺なんだから。」

「黙れ!シャオちゃんに対して熱い情熱を持っている俺だ。」

「いい加減にしてください。シャオさんのチョコは私が・・。」

「てめーはもう沢山貰ったろ!引っ込めよロリコン購買部!」

「なっ!・・・・・・・・・・・・」

出雲が驚いた途端、シャオが大声をあげて笑った。

「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは。」

しかしその笑い声は、シャオの声ではなかった。

訝しげに彼らはシャオの顔を見ようとした。その時!

は・ず・れーー!!!

なんとシャオと思った女性は、ピンク色のカツラをかぶった山野辺翔子だった。

「あっはっはっは。おに―さん、遂に言われちゃったねえ。そうそう、シャオだったら休みだよ。」

『なっ?!!!』

彼らはその事実に驚愕した。彼らのいる教室はただ、山野辺翔子の笑いだけが響いていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

シャオとルーアン、それに愛原花織の三人は、太助の家で待機していた。

太助の帰還を待っているわけではない。

太助に想いが届くかどうかを確認したいが為にそこにいるのである。

シャオに限っては支天輪の使用をキリュウに禁止されている。

故に皆ここで待つしかなかったのだ。

そのころ太助は、キリュウからに試練に苦戦していた。

駅から家まで約10キロある。すでに4時間は経過したが、まだ4キロほどしか進んでいない。

理由は試練に使われたものにあった。それは寒さを利用したものである。

駅で使われた氷柱、巨大化された霜柱、スリップする道などである。

何らかの肉体的刺激が加われば、同時に寒さも伴う。

それらによる相乗効果により、体表感覚も麻痺しかけていた。

故に疲れも半端でない。

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・」

今まで太助は試練を受けていて苦しいことはあっても、息を切らすことはなかった。

太助の息切れは、この試練の壮絶さを物語っている。

それはキリュウにも見て取れた。キリュウは太助のもとに駆け寄る。

「主殿、大変そうだがやめにするか?」

「・・・・・・・・・・・・いや、続ける・・・・」

太助はキリュウの提案を拒否した。

しかし太助の体はぼろぼろだった。もはや気力だけで動いているとしか思えない。

キリュウは呆れながらも、そんな太助を内心賞賛した。そして

「では続けるぞ主殿。もう少しで着くのだから。」

キリュウは気を使って太助を励ました。

それからも試練は続いた。

しかし幾度となく太助は足を止めて休む事はあったが、やめようとはしなかった。

そして4時間後・・・・・・・・・・太助は家に辿り着いた。

辿り着いた時には痛々しいほどの怪我をしていたが、それでも太助は家に着くと痛みが薄らいだ。

キリュウも安心したのか、ふと大きな溜め息をつく。

だが、本当はこれで終りではなかった。

「よく辿り着けたな、主殿。これでこれは主殿のものだ。開けられよ。」

そう言ってキリュウは、シャオのチョコの入った箱を太助に差し出した。

太助は笑みを浮かべてそれを受け取る。これを受け取る時にはもう痛みは感じなかった。

そして太助はそれを開けた。そこには!

「げっ!!!!!!!!!!」

なんとそこには、うにょうにょと動く4つのモノがあった。

それは4個の陽天心チョコだった。

「って、キリュウ!これって全部ルーアンのじゃ・・・・・」

しかしキリュウは首を横に振った。

「全部が全部そうではない。これはシャオ殿、ルーアン殿、そして花織殿のチョコだ。

ルーアン殿に頼んで全部に陽天心をかけてもらった。

なお、主殿が食べられるのはこの中から一つだけだ。」

「いや、食べるっていっても・・・・・・・・」

チョコとはいえ陽天心がかかっているものを食べれば、あごが痛くなるに決まっている。

「主殿、これも試練だ。」

「でも・・・・・・・」

太助はふと4個という数に気が付いた。一人一個作ったのなら、一個多いのである。

「キリュウ、シャオとルーアンと愛原は、一つずつ作ったのか?」

「そうだが・・・」

「じゃあ、もう一個は誰が作ったんだ?」

「そ!・・それは・・・その・・・・」

急にキリュウの顔が赤くなる。

「そ・・・それより早く選ぶのだ、主殿。」

キリュウは冷静さを取り戻す。太助は半ば困惑した表情だ。

太助は改めてチョコを見た。

ハート型、球形、正方形、長方形と、形はそれぞれ違っていた。

(問題はどれがシャオのかだが・・・・・・・・・)

太助が考え始めた時、バルコニーからシャオ、ルーアン、そして愛原の三人が顔を出した。

「残りの一個って、キリュウさんのでしょうか?ルーアンさん?」

シャオがルーアンに聞く。

「知らないわよ、あの不良娘ったら、なに考えているのか分かったもんじゃないから。」

「きっとキリュウさんのですよ。キリュウさんだって女なんですから、

何時何処で先輩を好きになっておかしくないんだし・・・。」

それらしい行動はいままでキリュウはとらなかったが、まさかこんな形とは!と愛原は歯噛みする。

4人が見守る中、太助は遂に決めた。

太助はハート型のチョコをつかみ、それを口に入れた。

静寂が走った。キリュウと太助を除いた三人には太助の選んだのがどれか確認できないのである。

太助がそれを飲みこむのを確認すると、キリュウは拍手をした。

「おめでとう主殿。それはシャオ殿が作ったものだ。」

「えっ!!!!?」

『何−−−−−−!!!!』

ルーアンと愛原が大声を出しながら現れた。

「ル・・・ルーアンに愛原・・・・・・・」

「もーいい!こうなったら力ずくでたー様にチョコを食べてもらうわ!」

「げっ!」

「ちょっとルーアン先生・・・力ずくだなんてダメですぅ。

・・・・・・・・・・先輩だったらあたしのを食べてくれますよね?」

「いや・・・それはむ・・・」

「陽天心召来!!」

ルーアンはもっていたチョコ全てに陽天心をかけた。

「陽天心チョコ!たー様を拘束しなさい。」

「こ・・・拘束って・・・・・」

太助は逃げようとした。だが、先程の試練で

体はぼろぼろだったの為、なかなか体が言うことを聞かない。

そして、簡単に動きを封じられた。

「たー様、あたしのチョコを・・・」

ルーアンが太助に食べさせようとしたとき、愛原が割りこんできた。

「ルーアン先生は引っ込んでてください。先輩はあたしが・・」

「太助様!!」

ルーアンと愛原になすがままになった太助を見て、シャオは助け出そうとした。

そんな光景を見て、キリュウはその場を離れた。

(わたしが今までやっていた試練では、主殿が望む守護月天の運命を解き放つ事はできない。

主殿がいかにしてシャオ殿と関係が深められるかが重要なのだ。だから頑張れ、主殿。)

キリュウは太助に思いながら、自分の作った長方形のチョコを折った。
 
 
 
 
 

END
 
 
 
 
 


どうも赤鎧 ユイです。この度は「キリュウのバレンタイン」を読んで下さいまして

誠にありがとうございますです。

私なりに頭をひねってみたので、よくはできてると思いますが、JSJの方たちは、どう思いますか?

では。
 


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